夫婦ふたりの時間
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夫婦の旅行が楽しくない60代。私が「午後の三時間だけ、別行動」を頼んだ日

カフェで向かい合って話す二人の女性
kuroko

旅行から帰ってきた日の夕方、私はいつも玄関に座り込みます。

六十六歳。年に二回、夫と旅行に行きます。

夫は旅行が好きで、計画も自分で立てます。

朝は八時に宿を出て、有名な寺を三つ回り、昼は行列の店に並び、午後は展望台に登る。

見たいものは、たしかに全部見られます。

けれど帰ってくると、私はいつも疲れ切っているのです。

「せっかく来たのに」

去年の秋、私は宿の部屋で少しだけ言いました。

「明日の午前は、宿のまわりを歩くだけでもいいんだけど」

夫は驚いた顔をしました。

「せっかく来たのに」

その一言で、私は黙りました。

夫は意地悪で言っているのではありません。

計画を立てて、私を連れていくことが、夫なりの楽しませ方なのだと分かっているからです。

だから、「楽しくない」とは言えませんでした。

仲居さんの一言

その夜、部屋にお茶を運んできてくれた仲居さんと、少しだけ話しました。

私が「主人は歩くのが速くて」と笑うと、その方はこう言いました。

「ご夫婦で、別々に過ごされる方も、けっこういらっしゃいますよ」

意外でした。

旅行は二人で全部一緒に回るものだと、思い込んでいたのです。

夫婦で来て、昼間は別々に過ごして、夕食で話す。

そういう旅もあるのだと、そのとき初めて知りました。

「午後の三時間だけ」

次の旅行の計画を立てるとき、私は二つだけ頼みました。

ひとつは、宿を移らずに二泊すること。

もうひとつは、二日目の午後の三時間だけ、別行動にすること。

夫はしばらく黙っていましたが、「三時間か」と言って、地図を広げ直しました。

身軽でないと、出かけられない

別行動の日、困ったのは荷物でした。

いつも持っていくのは、夫と共用の大きなバッグです。

財布も、飲み物も、折りたたみ傘も、全部そこに入っています。

自分の分だけを持って歩ける、小さくて軽いものが要ると気づきました。

選んだのは、両手が空くリュックです。

条件は三つでした。

背負っても手で提げても使えること。

急な雨でも中身が濡れないこと。

観光案内の紙や本が折れずに入ること。

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三時間で見たもの

二日目の午後、私は宿の近くの小さな資料館に入りました。

大きな観光地ではありません。地図に小さく載っていただけの場所です。

中は静かで、私のほかにお客さんは二人。

その町で昔つくられていた織物の展示を、一時間半見ていました。

受付の女性が、「このあたりは、昔はほとんどの家に機織り機があったんですよ」と教えてくれました。

夫となら、五分で出ていたと思います。

夕食のときに、話すことが増えた

宿に戻ると、夫は先に風呂から上がっていました。

「どうだった」と聞かれて、私は織物の話をしました。

夫は展望台からの景色と、途中で入った蕎麦屋の話をしました。

同じものを見た日より、話すことが多かったのです。

その夜、夫が言いました。

「次も、三時間はやるか」

今年の春の旅行

今年の春も、同じようにしました。

夫は相変わらず朝が早く、歩くのも速いままです。

私は相変わらず、途中で座りたくなります。

変わったのは、旅程の紙に「午後:別行動」と書かれるようになったことだけです。

それから、去年の資料館にもう一度寄りました。

受付の方が「また来てくださったんですね」と言ってくれました。

それだけのことが、少しうれしかったのです。

あなたなら、どうしますか?

次の旅行で、半日だけ自由な時間があるとしたら、どこへ行きますか。

そして、そのことを相手に話すとしたら、どんな言い方にしますか。

今週、ひとつだけ決めるなら

ひとつで十分です。決めた日を、カレンダーに書いてみてください。

この物語から、考えたいこと

1. 「楽しくない」とは言いにくい

相手が良かれと思って立てた計画には、不満を言いにくいものです。

「楽しくない」ではなく、「この時間だけこうしたい」と、範囲を区切って頼むほうが伝わりやすいことがあります。

2. 別行動は、仲が悪いという意味ではない

同じ宿に泊まり、夕食を一緒に食べる。

昼間だけ別々に過ごす旅の形もあります。

「全部を一緒に」と決めているのは、たいてい自分たちの思い込みです。

3. 移動を減らすと、疲れ方が変わる

宿を毎晩移ると、荷造りと移動だけで時間が過ぎます。

同じ宿に連泊すると、荷物を置いたまま出かけられます。

振り返りチェック

当てはまるものに、印をつけてみてください。診断ではありません。自分を振り返るためのものです。

印をつけた数:

数が多くても少なくても、良い・悪いはありません。

この物語に登場したもの

ここから下は物語ではなく、物語に出てきた道具の情報です。主人公が選んだときの条件(両手が空く・雨に強い・紙が折れずに入る)に合う商品の一例で、登場人物が実際に使ったものではありません。販売ページやメーカーの記載にもとづく事実だけを載せています。

2wayの軽いリュック

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  • ブランド:アネロ グランデ(anello GRANDE)
  • 販売ページの記載:製品サイズ 11×30×35cm・A4サイズ収納可
  • 販売ページの記載:強撥水・ポケット10か所(フロント/背面のセキュリティポケット/サイドポケットなど)
  • 販売ページの記載:背負う・手で提げるの2通りで使える
  • 選ぶときは、A4が入るか・雨に強いか・背負う以外でも持てるかを見ると選びやすくなります。

※価格は変動するため、最新の価格は販売ページでご確認ください。

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この記事について

※この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
※このお話は、実際に寄せられている相談や声を参考に、物語として再構成しています。登場人物・出来事は実在のものではありません。
※記事中の写真はイメージです。

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