【年収800万円でも危ない】老後破産したエリートの末路
今回は、ちょっとショッキングなテーマかもしれません。
「年収800万円の人が、老後に破産するなんて、あり得るの?」
…そう思った方も多いのではないでしょうか。
たしかに年収800万円といえば、日本では「上位15%以内」の高所得者層。
会社でもそれなりのポジションにいて、周囲からは「勝ち組」と見られてきたはずです。
でも――
現実には、そんな“順風満帆に見える人たち”が、老後にお金でつまずき、
生活保護、借金、最悪の場合「孤独死」という結末を迎えるケースも、確実に増えてきているんです。
なぜそんなことが起きるのか?
どこで、何を間違えてしまったのか?
「自分には関係ない」と思っていた人が、なぜ“明日の当事者”になってしまうのか?
この記事では――
ある年収800万円のエリートサラリーマンが、
なぜ老後に“安心”を失い、“破綻のスパイラル”に陥ったのか。
その一部始終を追いながら、
✔ 見逃されがちな“老後の落とし穴”
✔ 「高収入なのにお金に困る人」の共通点
✔ そして、私たちが今からできる備えとは何か
こうした視点から、分かりやすく解説していきます。
「自分は年収そこまでじゃないし…」と思った方も、ぜひご覧ください。
この話は、“年収の多い・少ない”にかかわらず、誰にでも起こりうる、そんなお話です。
それでは早速、みていきましょう――。
第1章:エリートのプロフィール
今回ご紹介するのは、
東京都在住の男性、仮名・佐藤健一さん(現在68歳)。
かつて年収800万円を稼いでいた、誰もがうらやむ“エリートサラリーマン”でした。
新卒で大手の電機メーカーに入社。
技術畑ひと筋、30代で主任、40代で課長職に就き、
部下を何人も抱える“中間管理職”として、責任ある立場を任されてきました。
年収も順調に上がり、50代では年収800万円を超え、
都内にマイホームを構え、子ども2人を私立中学から大学へと進学させる――
誰が見ても「堅実で安定した人生」を歩んでいたのです。
貯金もそれなりにあり、退職金も2,000万円近くを受け取り、
「これで老後は安泰だろう」と、本人も家族も思っていました。
でも――
そんな佐藤さんが、退職からわずか8年後、まさかの“老後破産”に追い込まれることになるとは、
本人ですら想像していなかったのです。
次に、そんな佐藤さんの“転落のきっかけ”となった出来事について、見ていきましょう。
第2章:転落のきっかけ&3つの想定外
佐藤さんの老後を狂わせたのは、たった3つの“想定外”でした。
どれも、一見すると他人事のようで――
実は誰の身にも起こりうることだったのです。
想定外1:子どもの自立が想定より遅れた
長男は、大学卒業後に就職するも3年で退職。
その後は転職を繰り返し、30代半ばでも生活は不安定。
実家に戻り、家賃も入れずに“実質扶養”のような状態に。
次男もまた、結婚後に離婚。
孫を連れて戻ってきて、当面は生活費を肩代わりすることに。
佐藤さんは「家族だから助けたい」と思い、
月々10万円近い支出を“仕方なく”続けてしまいました。
想定外2:持ち家の修繕費が予想以上に高かった
築30年以上が経過した家は、
屋根の修理、給湯器の交換、外壁の塗装など、年々修繕が必要に。
リフォーム費用は、合計で300万円以上。
「住めば住むほどお金がかかる」と実感したといいます。
固定資産税、火災保険、そして修繕――
持ち家は“資産”であると同時に、“支出”の原因にもなるのです。
想定外3:年金の額が想像より少なかった
佐藤さんは「現役時代に年収800万円あったのだから、年金もそこそこもらえるだろう」と思っていました。
ところが実際の受給額は、夫婦合わせても月22万円。
住宅ローンの残り、生活費、家族への支出を差し引くと、
毎月ギリギリ、あるいは赤字になることも。
「足りない分は貯金から補えばいい」――
そう考えたことが、破綻へのカウントダウンだったのです。
3つの想定外が重なり、
佐藤さんの老後は、思っていた“安泰”とはまるで違う景色へと変わっていきました。
第3章:破産までの道のり
佐藤さんが「老後破産」に陥るまで――
そこに、ドカンと大きな事故があったわけではありません。
むしろ、“ゆっくりと静かに”
お金が減っていったのです。
ステップ1:貯金を切り崩す生活が当たり前になる
最初の数年は、「年金+貯金」で何とかなると思っていました。
赤字になった月は、迷わず預金を取り崩す。
たった月3万円の赤字でも、年間で36万円。
5年続けば180万円が消えてなくなります。
それでも「これくらいなら問題ない」と思い続けたことが、判断を鈍らせました。
ステップ2:退職金に頼って大型支出
実は退職時、まとまった金額の退職金を受け取っていました。
その額、およそ1,500万円。
このお金で――
・浴室のリフォーム(約200万円)
・新車の買い替え(約250万円)
・家族旅行(約50万円)
・子どもの生活援助(合計で約400万円)
…と、「老後の楽しみ」や「家族のため」を理由に、気がつけば1,000万円以上を使用。
退職金は、10年も経たずに“ほぼゼロ”に。
ステップ3:病気と介護が一気に重なる
追い討ちをかけたのが、70代前半にかかった持病。
糖尿病と高血圧で、通院・投薬が常態化し、
医療費の自己負担は月に1万円以上に増加。
さらに、奥様が脳梗塞で倒れ、自宅での介護が必要に。
福祉用具のレンタルや、訪問介護サービスに毎月3万〜5万円。
もはや年金だけでは支えきれず、
消費者金融からの借り入れがスタートしました。
ステップ4:借金生活に慣れ、“最後の砦”が崩れる
最初は10万円だけのつもりだった借金。
返済のための借り換えや、クレジットカードのリボ払いを使い続け、
気がつけば、借金総額は約200万円に。
毎月の返済で首が回らなくなり、
最後に残っていた定期預金も解約。
その数ヶ月後――
公共料金の支払いが遅れ、
通院費も工面できず、
生活保護の申請を決断するに至ったのです。
「まさか、自分がこんなことになるなんて」
佐藤さんの言葉には、悔しさと自責がにじんでいました。
第4章:なぜ“年収800万円”でも破産したのか?
「年収800万円あれば、老後は安心」
多くの人が、そう思っているのではないでしょうか。
でも――
実は、安心できるかどうかは“収入額”ではなく、
“収入の使い方”にかかっているのです。
理由1:現役時代の生活レベルを落とせなかった
佐藤さんの家庭では、年収800万円に見合った暮らしをしてきました。
駅近の持ち家、月1回の外食、年2回の家族旅行。
子どもには塾と私立中学、大学進学も当たり前。
確かに、立派なライフスタイルです。
しかしそれは、あくまで“収入がある前提”で成立していた暮らし。
定年後、収入が年金だけに減っても、
「急には変えられない」「今さら生活水準を下げたくない」
――そんな思いが、支出の見直しを阻んでいきました。
理由2:老後の支出を“読み違えていた”
「年金+少しの貯金があれば、何とかなる」
そう思っていた佐藤さんが見落としていたのは――
老後特有の支出の存在です。
たとえば:
・持病の治療や薬代
・介護用品の購入やサービス利用
・家の修繕やリフォーム
・孫へのプレゼントやお祝い
老後に入ってからは、
「毎月決まって出ていくお金」に加え、
「突然必要になる大きな出費」が、容赦なく押し寄せてきます。
佐藤さんは言います。
「月15万円で生活しているつもりでも、実際は年に300万円使っていた」
理由3:「自分は関係ない」と思い込んでいた
佐藤さんは、年金制度や介護保険、医療支援などの知識もほとんどなく、
「調べるのが面倒」「まだ先の話」と、備えを後回しにしてきました。
そして――
いざという時に、どこに相談すればいいのかも分からず、
結果として、借金や資産の取り崩しという“苦しい選択肢”しか残らなくなったのです。
理由4:家族との関係に“お金の壁”ができていた
子どもには「迷惑をかけたくない」と言えず、
奥様には「お金がない」と相談できず、
支出の多くを“ひとりで抱え込む”ことになりました。
老後のお金の問題は――
収入や貯金の多さではなく、
「暮らしの設計」「人との支え合い」「備えの知識」で決まるのだと、
佐藤さんのケースが教えてくれます。
第5章:破産を防ぐために“今から”できること
ここまでの話を聞いて、
「自分は大丈夫かな…」と、少し不安になった方もいるかもしれません。
でも、安心してください。
老後破産は――
“ちょっとした行動”で、防げるリスクでもあるんです。
ここからは、今日からすぐに始められる
【5つの対策】をご紹介します。
対策1:生活費を「可視化」する
まず最初にやるべきことは、
「毎月いくら使っているか」を把握すること。
現金、クレジット、電子マネー……
支出の“全体像”を見えるようにすると、
思っている以上に「ムダなお金」が見えてきます。
おすすめは、家計簿アプリの活用や、
月ごとの「ざっくり支出表」を作ること。
収入と支出のバランスを“数字で見える化”することが、
老後破産への第一のブレーキになります。
対策2:「固定費」を見直す
家計の中で“見直し効果が高い”のが、固定費です。
たとえば:
・スマホを格安プランに変更
・使っていないサブスクの解約
・内容が重複している保険の見直し
これらを見直すだけで、月1〜2万円の節約ができるケースも。
特に年金生活に入る前に、
「毎月必ず出ていくお金」をできるだけ軽くしておくことが大切です。
対策3:「退職金」の使い方にルールを設ける
退職金は、“自由に使えるご褒美”ではありません。
それは、あなたの老後20〜30年を支える“命綱”です。
ポイントは、
・「自由に使っていい額」はあらかじめ上限を決める
・大きな出費は、必ず一晩置いてから判断する
・家族とも「使い道の方向性」を共有しておく
これだけで、感情的な出費を防ぎ、
退職金を長く守ることができます。
対策4:「相談できる相手」を作っておく
老後のリスクは、「ひとりで抱え込むこと」から始まります。
家族・信頼できる友人・専門家――
「何かあったら相談できる人」を1人でも持つことが、
老後の不安をグッと軽くしてくれます。
お金の話は、恥ずかしいことではありません。
“話すこと”そのものが、最大の防御力になるのです。
対策5:「自分は関係ない」という思い込みを手放す
最後に、一番大切なのは、
「自分だけは大丈夫」という幻想を捨てること。
年収が高くても、貯金があっても、
“油断”と“放置”こそが、老後破産の真の原因です。
だからこそ、早めに気づいた“今”がチャンス。
・家計を整える
・生活のサイズを見直す
・備えを学ぶ
この3つのサイクルを“今”始めることで、
将来の不安は、“希望”に変えていくことができるのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は――
【年収800万円でも危ない】老後破産したエリートの末路、というテーマでお話ししてきました。
「高収入=安心な老後」という時代は、すでに終わりました。
いくら稼いできたか、ではなく――
“どう備えて、どう使うか”が、これからの人生を左右する時代です。
今日ご紹介したポイントを振り返ってみましょう。
✅ 【第1章】貯金があっても破産する人の共通点
・「収入が減っても、生活レベルを下げられない」
・「感情的な出費を止められない」
✅ 【第2章】破産した“エリート男性”のリアルな失敗談
・年収800万円の生活が、そのまま続いた
・退職後、資産を取り崩すスピードが想定外だった
✅ 【第3章】“安心老後”を壊す3つの思い込み
・「退職金でしばらくは大丈夫」
・「いざとなれば子どもがなんとかしてくれる」
・「年金はある程度もらえるはず」
✅ 【第4章】老後にありがちな“生活習慣の落とし穴”
・固定費の見直しを後回し
・断れない援助や保証人
・貯金を増やすより、今を楽しむ思考
✅ 【第5章】今からでもできる5つの対策
・生活費の可視化
・固定費の見直し
・退職金の使い方にルールを設ける
・相談相手をつくる
・「自分は大丈夫」という思い込みを捨てる
どれも、今日からでも始められることばかりです。
あなたは今回の内容の中で、
「これは気をつけよう」と思ったポイントはありましたか?
もしよければ、コメントであなたの気づきをシェアしてください。
それが、同じ不安を抱える誰かのヒントになるかもしれません。