2025.06.20

独身の老後に起こりやすい５つのデメリットと安心への備え方

rougo-compass

「老後、一人だったらどうしよう――」
テレビやネットで、そんな言葉を目にすると、
どこか胸の奥がザワザワする。
大きな声では言えないけれど、正直、不安がある。

病気になったら、誰が助けてくれるんだろう

自分が死んだ後、部屋の片づけはどうなる？

このままひとりで年を重ねるの、怖くないと言えば嘘になる

でも誰にも頼れないからこそ、今はまだ何も考えたくない――
そんなふうに思って、目を背けていませんか？

実はいま、独身で老後を迎える人が過去最多になっています。
それと同時に、「ひとり老後」のリスクや課題も、ようやく社会に認識され始めています。

この記事では、

独身で老後を迎えることの現実的なデメリットとは何か？

その不安をどうやって小さくしていけるのか？

“ひとりでも安心して生きる”ためにできる備え方

について、やさしく、わかりやすくお伝えします。

「誰もいない」から不安なのではなく、
「知らない・備えていない」から不安になるだけ。

今からでも遅くありません。
あなたの人生を、あなたの手で整えていきましょう。

独身の老後が「不安」と言われる理由とは？

結婚していない。
子どもがいない。
親もすでに他界しているか、自分より年上で頼れない――。

こうした状況で老後を迎える人が、いま急速に増えています。
内閣府の調査では、60代以上の4人に1人が独身（未婚・離別・死別）という結果もあり、
もはや「独身の老後」は少数派ではありません。

それでも、多くの独身者が「老後は不安だ」と感じるのは、なぜなのでしょうか？

家族前提の社会制度と価値観が根強いから

日本の年金制度や介護保険、住宅制度などは、もともと「家族単位」で設計されています。

夫婦で支え合うことを前提にした年金額

同居家族がいる前提の介護体制

持ち家を前提にした高齢者の住まいづくり

独身の場合、「支える人がいない」前提で自分ですべて備えなければならないのに、
制度のほうが追いついていないという“構造的なズレ”があるのです。

「何かあったとき、誰が助けてくれるのか？」という見えない恐怖

倒れたときに救急車を呼んでくれる人は？

入院時の保証人はどうする？

死んだあとの手続きや葬儀は誰がやる？

こうした「もしも」のときの備えは、家族がいれば自然とカバーされます。
でも、独身の場合は“他人に頼る準備”をしない限り、すべてが“自己責任”になります。

そして何より、
そうした未来を「自分ひとりで考えること」自体が孤独でつらい。

その“言語化しづらい不安”こそが、独身の老後を「怖い」と感じさせる理由なのです。

独身で迎える老後のデメリット5つ

独身であることは、自分の人生を自由に選べるという“強み”もあります。
しかし、老後というステージにおいては、「一人で背負う」という現実が、大きな壁になることも。

ここでは、独身の老後に起こりやすい5つのデメリットを紹介します。
「不安」の正体を知ることで、備えるべきことも見えてきます。

①病気や介護時に頼れる人がいない

年齢を重ねるほど増えてくる、病気・入院・介護の問題。
夫婦や家族がいれば、付き添いや意思決定を代わってもらえますが――

独身の場合、すべてを「自分で判断・手続き」しなければなりません。

入院時の保証人が見つからない

手術や治療の同意が取れない

認知症になったとき、資産管理や介護方針を決められる人がいない

結果として、入院や施設入居を断られるケースもあるのです。

②死後の手続き・遺品整理などが自分任せ

もし自分が突然亡くなったとしたら――
誰が、自宅を片づけてくれるのでしょうか？
誰が、葬儀の手続きをしてくれるのでしょうか？

独身の場合、死後の手続きまで“自分で備えておかないと”何も進まない可能性があります。

家の中が放置され「孤独死」として扱われる

賃貸なら家主に多大な迷惑がかかる

銀行・保険・公的書類などの手続きが滞る

「死んだ後なんて、もう関係ない」と思っていても、周囲には確実に“負担”が残されるのです。

③精神的な孤独・社会的な孤立リスク

老後の不安は、お金や健康だけではありません。
もっと深く、静かに迫ってくるのが「孤独」です。

毎日、話し相手がいない

何か困っても、相談する人がいない

楽しいことがあっても、共有する人がいない

特に高齢期は、身体の衰えとともに“心の支え”が必要になる時期。
社会とのつながりがないままだと、気づかないうちに「生きる気力」さえ薄れてしまうことも。

④経済的にすべて自分ひとりで備える必要がある

夫婦なら生活費も家事も“2人でシェア”できますが、
独身はそのすべてを一人でまかなう必要があります。

家賃・光熱費などの固定費がすべて一人分

老後の収入源は年金＋貯蓄のみになる可能性が高い

介護・医療費・葬儀費用などを100%自己負担

結果として、「貯金を切り崩すしかない」状態に陥り、老後破産や生活保護予備軍になる独身高齢者も増加傾向にあります。

⑤世間体や偏見による“二重のストレス”

「独身って、かわいそう」

「誰にも看取られずに死ぬなんて」

「子どもがいれば良かったのに」

たとえ口に出されなくても、独身に対する“根強い偏見”や“同情のまなざし”に傷つく場面は、意外と多いものです。

そしてその視線は、「自分はこのままでいいのか？」という自己否定にもつながりやすい。

“生き方の自由”を選んだはずなのに、
老後になって「それが正解だったのか分からない」と迷い始める。
それもまた、独身老後のデメリットのひとつなのかもしれません。

でも――
これらのデメリットは、「回避できるもの」でもあります。
大切なのは、“備えておくこと”。
次の章では、独身でも安心して生きられるための準備と具体策をご紹介します。

独身の老後でも安心して生きていくための備え方5選

独身の老後には、確かにリスクやデメリットがあります。
けれどその多くは、「知らない」「備えていない」ことが原因です。

ここでは、これからの人生をひとりで歩むあなたが、
安心して暮らし続けるために“今日からできる5つの備え”をご紹介します。

①お金の備え｜年金と生活費を現実的に見積もる

まずは、「お金がどれくらい必要か？」を明確にすることが最初のステップです。

ねんきん定期便で自分の年金見込み額を把握する

月々の生活費をざっくり計算する

収支の差から、不足分×20〜30年を目安に必要資金を算出

年金だけでは足りない人が多いからこそ、
「支出を減らす工夫」や「小さな収入源の確保」も大きな支えになります。

✔ 生活費を月2万円抑えるだけで、年間24万円の節約
✔ 少額でも副業や不労所得があれば、将来の安心につながる

②法的な備え｜死後や判断能力低下への対策

独身の老後で最も重要なのが、“自分が判断できなくなったとき”の備えです。

任意後見契約：認知症になったとき、信頼できる人に代わりに判断してもらえる契約

死後事務委任契約：亡くなった後の手続き（葬儀・住居の片付けなど）を代行してもらえる仕組み

遺言書の作成：財産の行き先を明確にして、トラブルを防止

こうした準備があれば、「最期まで自分らしく」生きることができます。

③医療・介護の備え｜制度を知っておく

独身の場合、介護や医療で“誰かの助け”を自動的に得ることが難しいからこそ、
「公的支援の存在」を知っておくことが大切です。

地域包括支援センター：介護・健康・住まいなどの総合相談窓口

ケアマネージャーとの早期接点：要介護認定後、支援プランを立ててもらえる存在

介護保険制度：訪問介護・施設利用などを経済的にカバーできる

いざというとき、制度を知っているだけで不安が「行動」に変わります。

④孤独への対策｜趣味・地域とのつながりを育てる

老後の“心の豊かさ”は、お金では買えません。
でも、人とのつながりがあれば、思っているよりずっとあたたかく生きられます。

地域のボランティア・趣味サークルに参加

高齢者向けSNSやオンラインコミュニティで同世代と交流

週に1回でも誰かと会う時間をつくる

「話す相手がいる」
「見守ってくれる誰かがいる」
それだけで、老後の孤独感は大きく変わります。

⑤終活の準備｜自分の「しまい方」を考えておく

最後は、“最期の自分”をどう整えるか。
それは決して後ろ向きなことではなく、「自分らしさ」を守る選択です。

エンディングノートを活用して、希望を明文化

信頼できる人（親族・士業・団体）に“いざというときのこと”を伝えておく

自分の死後に迷惑がかからない仕組み（葬儀・遺品整理・供養）を考える

“しまい方”が決まっていると、それだけで人生の最終章が穏やかなものになります。

Q&A：独身の老後に関するよくある質問

ここでは、独身で老後を迎える方が実際に感じやすい不安や疑問をピックアップし、
やさしい言葉で明確にお答えしていきます。

「これ、自分も思ってた…」という声に、そっと寄り添えるように。

Q1：独身の老後は本当に“孤独”なんですか？

A：孤独になるかどうかは「人とのつながり」をどう築くか次第です。

確かに、結婚している人に比べて家族との関わりは少ないかもしれません。
でも、地域・趣味・仕事・ボランティアなど、他人との“ゆるやかなつながり”があれば、孤独感は大きく変わります。

誰かに必要とされること。
自分から誰かに関わること。
それが「孤独」を「ひとり時間の充実」に変えてくれます。

Q2：家族がいないと、介護は誰がしてくれるの？

A：公的制度と地域の支援体制があなたを支えてくれます。

介護保険制度では、要介護認定を受けることで、

訪問介護

デイサービス

ショートステイ

施設入所などが利用できます。

また、地域包括支援センターが窓口となり、ケアマネージャーと一緒に介護のプランを“あなた仕様”で設計してくれます。

つまり、家族がいなくても、備えていればきちんと支援を受けられます。

Q3：遺品整理や葬儀はどうすればいいの？

A：死後事務委任契約を結んでおけば、信頼できる人や法人に依頼できます。

たとえば――

信託契約を使って葬儀や供養を準備

行政書士やNPO法人に死後の手続きを依頼

葬儀社・納骨先も事前に指定可能

「自分がいなくなったあとのことを自分で決めておく」ことで、
安心して生ききることができるのです。

Q4：60代から準備しても、もう遅いのでは？

A：いいえ、“今”が一番早いタイミングです。

老後の準備に「遅すぎる」ということはありません。
むしろ、60代以降は――

定年後の生活が見えてくる

年金の金額も確定してくる

病気・体力の変化も実感し始める

という意味で、「リアルに備えられる時期」です。
今気づいたあなたには、これからを変える力が十分にあります。

【まとめ】“一人だからこそ、自由に整えられる老後がある”

独身で迎える老後には、
確かに「不安」「孤独」「頼れる人がいない」といったデメリットがあります。

でも、それは誰かと比べるからこそ見えてしまう不安でもあります。

結婚していないから、不完全

子どもがいないから、寂しい

一人だから、何もできない

そう思い込んで、何も備えないまま年を重ねてしまうほうが、
本当は、ずっと危ない。

一人であることは、「選択肢を自分で決められる」という強さでもあります。

✔ お金のこと
✔ 医療や介護のこと
✔ 死後のこと
✔ 心のつながりのつくり方

誰かに頼らずとも、
“ちゃんと自分の人生を守るための準備”はできる。

「独身の老後は不安です」
そんな声に、老後コンパスはこう答えます。

不安になるのは、当たり前。
でも、その不安を小さくしていくことは、誰にでもできることです。

“一人だからこそ、自分に合った老後を自由に整えられる”
それは、きっと、あなたにしかできない生き方です。

どうか、今日から少しずつ――
未来の自分を、守る準備を始めてみてください。

あなたの老後は、あなたが決めていい。
その道しるべを、いつでも一緒に考えます。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME